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身近にある洗脳 [その他]

しばしば、「洗脳」された人がセンセーショナルに取り上げられます。
「洗脳」の問題は一見、芸能界・有名人や
大規模に行われるカルト宗教など、遠い世界の話と思いきや、
実は、ブラック企業や、家族・夫婦の間など
私たちの日常と地続きのところにまで浸透しています。
洗脳やマインドコントロールは一体どんなもので、
どんな人がその罠に落ちるのでしょうか。
また、それらから逃れる術はあるのでしょうか。

・洗脳、マインドコントロールとは

洗脳は、もともと朝鮮戦争での捕虜収容所で、
中国共産党によって行われた思想改造を指して使われた言葉でした。
人を閉じ込め、自由を奪い、抵抗力を弱め、巧妙な賞罰を使いながら、
学習と自己批判と告白の手法を重ねて、転向させるテクニックです。

一方、マインドコントロールは、洗脳のような暴力的な方法を使わず、
相手に自分が操作されていると気づかせないようにしながら、
思想や行動を都合よく誘導する手法です。

マインドコントロールの方が、
露骨な違法行為をしていないだけに問題の指摘が難しく、
支配されていると意識しにくかったり、
警察なども手が出しにくかったりする面があります。

・洗脳やマインドコントロールは段階的に進む

歌手の辺見マリさんは、「拝み屋」に洗脳され、
5億円を騙し取られ、借金を作り、
娘でタレントの辺見えみりさんのお金にまで手をつけました。
洗脳は次のように進んでいったと語っています。

1、「安心」:理解者、支援者だと安心させる。
2、「驚き」:占いを的中させたり、心の底を言い当てたりする。
       (ただしトリックあり)
3、「嫉妬」:他のメンバーを登場させ、互いに競わせたりする。
4、「囲い込み」:家族や社会から分断し、帰る場所をなくす。

ブラック企業では、過酷な仕事で疲労困憊させ、
激しい叱責で人格を否定し、次に社長が語る夢や希望にコミットさせ、
賞罰を使い分けながら他の社員との連帯感を強めさせます。
このプロセスの中で洗脳されれば、社長を教祖のように信頼し、
進んでサービス残業もするようになるのです。

また、マインドコントロールは、次の3段階で進むとされています。

1、「解凍」:これまでの人格を崩壊させる
2、「変革」:教え込みの過程
3、「再凍結」:新しい人格を作り上げ強化する過程

不安につけ込むのも、よくある方法です。
病院から出てくる患者を狙っていた組織もありました。
不安をあおるような占いを使うこともあります。
不安を高め、そして救いがあると示し、そこにすがるようにさせるのです。
「この世の終わり」を説くという手法もよく使われます。

・洗脳、マインドコントロールされやすい人

大学内で活動していたある巨大カルトの信者に、
どういう人に声をかけるのか聞いたことがあります。
彼らの回答は、「一人で真面目そうに歩いている人」でした。
真面目で向上心がある人ほど、洗脳されやすいのです。
さらに、優しく素直な人は要注意です。
何事にも一生懸命になれる人は、カルトにものめり込みます。
また不安が高いときには、ワナにかかりやすくなります。

・洗脳、マインドコントロールの被害にあわないために

洗脳やマインドコントロールの被害にあわないためには、
他の人をだます犯罪の防止と同様に、まず事実を知ることです。
世の中には、人を操る名人がいるのです。
その手法を事前に学んでおくことも、効果的です。

実際に出会ってしまったら、最初の段階で逃げましょう。
おかしいと感じたら、相手との約束を破っても、
「ノー」と言っても良いのです。
一旦、引き込まれると、抜けられなくなってしまいます。
家族が支配されていった事件でも、
最初の段階で逃れた家族は事件に巻き込まれなかったと言われています。

家族や大切な人が洗脳されてしまった時はどうでしょうか。
よくある失敗が、頭ごなしの否定です。
そんなことをすると、
尊敬する教祖様や占い師の先生を否定されたのですから怒るのは当然です。
人間関係が悪くなれば、ますます相手の方に加担してしまいます。

まず、人間関係を良くしましょう。
落ち着いて話し合い、
本人が支配されていることに疑問を持てるような適切な質問をしましょう。
家族や友人が、帰れる場所を用意して待ちましょう。
ただしそのためには、十分に学ぶことが必要です。相手は非常に巧みです。
ミイラ取りがミイラにならないように、くれぐれも注意しましょう。

https://news.yahoo.co.jp/byline/usuimafumi/20201226-00213531/

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