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知らぬ間に操られていた? [その他]

「ガスライティング」という心理学的用語がある。
これは、わざと間違った情報を伝え続けることで、
相手の現実感覚を狂わせ、
記憶や正気などを疑うように仕向ける精神的虐待のことだ。

自分を優位に立たせ、人を陥れる時に用いられるこの手法は、
親子関係で見られることもある。
親、あるいは子、あるいは両方が、
相手を騙して正常な認知を損なわせようとするのである。

ここでは特に「ガスライティング・ペアレント」と呼ばれる
親が子にガスライティングを仕掛けていた場合についてみていこう。

・人を陥れる心理攻撃「ガスライティング」

ガスライティングの名称は、『ガス燈』という舞台劇・映画に因む。
この物語に登場する男は、
自分の妻が口にすることを勘違いだと言い張ることで、
自分は狂っているのではないかと彼女に思い込ませた。

そんなことをする理由は、金銭目的だったり、
その人物を支配したいという欲望だったり、
あるいはただ単に反社会的人格の持ち主であるからなどさまざまだ。

ガスライティングを仕掛けられると自分が信じられなくなり、
相手の意のままに操られてしまう。
被害者なのにいつのまにか加害者に逆転していることもある。

ガスライティングを仕掛けてくる親には以下にあげる7つの特徴がある。

1. 子供を馬鹿にする

ガスライティングの最初の一歩は、決まって自尊心の破壊から始まる。
相手を操作するには、その人の自信は邪魔でしかない。
それは親によるガスライティングでも同じだ。

心理学でいう「愛着理論」によれば、
幼児は自分の面倒を見てくれる親などに対して愛着を抱くようになる。
子供が世界を安心して冒険できるのは、この心の拠り所があるからだ。
また心が安定した自立心のある子供は、
やがて親が言うことに対して疑問を抱くようになる。

だから子供へのガスライティングは、
そうなる前の早い段階から始められる。
そうした親にとっては、子供の自信など不必要なもので、
自分が無能だと思うように仕向けるのだ。

2. 過剰な反応をとがめる

大袈裟な反応や過敏なことをとがめるのは、ガスライティングの手口だ。
親が間違っているのではと、
子供が疑問を抱いているようなことを口にすれば、
「おいおい、冗談だよ、落ち着きなさい!」といった具合だ。

しかしそのようなことが続くと、
子供は次第に疑問を抱く自分を疑うようになる。
ガスライティング・ペアレントが子供に許すのは
彼らが気に入ることだけで、子供が自分なりに感じる権利を認めない。

本来なら、子供は自分が感じていることを話しても、
親に否定されないということを知る必要がある。

それなのに、毎度毎度、
思っていることや感じていることを否定されてしまうということは、
「お前のことは信用できない」「お前の気持ちなどどうでもいい」
と言われているのと同じだ。

3. 大袈裟に誇張する

子供の気分や感情は無視する一方、ガスライティング・ペアレントは、
ごく些細なことであっても、やたらと誇張し、
さも大問題であるかのように大袈裟に語る。

頼まれた品の買い忘れや夜に電気を消し忘れたといったことでも、
取り返しのつかない大失敗をしでかしたかのような態度を示し、
それを子供のせいにする。

親からこのような反応ばかりされた子供はやがて行動が変わってくる。
親のヒステリーはどうにかして避けたいが、
しかしどんな些細なことであっても過剰に反応されてしまう。
子供は混乱し、自分の殻に籠るようになる。

すると親に嘘をつき、本音を話さなくなる。
どうにかして親の機嫌を取ろうと無理するようなこともあるだろう。

4. 日常的に過去のことについて嘘をつく

昔のことについて嘘をつくのは、子供に現実を疑わせるための手口の1つだ。
信頼している親に否定されては、
自分の記憶が疑わしく思えてくるのも当然だ。

これは冒頭でも紹介した『ガス燈』でも描かれている。
夫は妻からブローチを盗み、彼女が失くしたのだろうと言い張る。
部屋の壁から絵を外しては、それも彼女自身がやったのだと伝える。
夜ごとに暗くなるガス燈の光や天井裏の足音は、気のせいだとたしなめる。
こうして妻はやがて自分の正気を疑い始める。

親に同じことをされる子供もしかりだ。
それは食べたはずの昨晩の夕食のおかずのことかもしれない。
朝に子供から頼まれたことをわざと間違え、
お前がそう頼んだんだろうと嘘をつくかもしれない。
それは些細なことから始まる。

5. 子供の目標を決め、子供に自分の人生を投影する

子供の幸せよりも業績ばかりを気にする親は、
ガスライティングをしている恐れがある。
こうした傾向は、自己愛的な親にも見られる兆候だ。

彼らにとって子供はもう一人の自分のようなものだ。
だから子供自信が幸福を感じているかどうかといったことは
あまり気にしない。

子供にとって一番いいことは自分が一番よく知っているのだと主張して、
彼らが目指すべきことを押し付ける。

子供自身の気持ちや目標は無視するだけだ。
ガスライティング・ペアレントにとって重要なのは、
自分が子供を支配できるかどうかということだ。

6. 友達に干渉する

子供の交友関係を把握するのは悪いことではない。
だが、そうした輪の中に首を突っ込んで操ろうとするなら、
それはガスライティングの兆候だ。

典型的なのは、子供の友達に我が子についての悪口を言ったり、
彼らの前で我が子を馬鹿にしたりといったことだ。
また友達と仲良くなって、我が子に孤立感を感じさせることもある。

自分の子供には何も知らせないまま、その友達を家に招待したり、
反対に家に遊びにくるのを禁じたりすることもあるだろう。

7. 自分の間違いを絶対に認めない

ガスライティング・ペアレントが謝ることは絶対にないし、
自らの過ちを認めることもない。
そんなことをしてしまっては、
これまで子供を支配しようとしてきた試みが台無しになってしまう。

いくら過ちを認めるよう迫っても無駄だ。
結局、いつも自分が悪いことにされる子供は疲れ果ててしまう。

万が一、自分の間違いが暴かれそうになると、
激怒して、問題をすり変えようとするだろう。
懸命に子育てをしてきた親に対してなんて恩知らずななどとなじり、
そのうち自分を哀れみ始める。そして、いつも最後に謝るのは子供の方だ。

・自分の親はガスライティング・ペアレントか?

生まれてからずっと心を支配されてきた
ガスライティング・ペアレントの子供が、
自分の親の真実を知るのは難しい場合もある。

手助けになるのは周りの人の意見だろう。
家族や友達に
昔の出来事を思い出す手助けをしてもらうといいかもしれない。

そして最後は自分の直感を信じることだ。
今日のあなたを作るのはあなた自身なのだ。
彼らはたまたまあなたを育てた人間だったというだけのことだ。

http://karapaia.com/archives/52296434.html

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