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巨大ポルノサイト運営者は誰? [その他]

●PornhubやRedTubeなど人気ポルノサイトを運営する企業の正体とは?

PornhubやRedTubeといった人気ポルノサイトは、
あるひとつの企業により運営されています。

ポルノサイトは
ターゲット広告やクリック課金型広告、メールマーケティングといった
インターネット広告業界では当たり前となっている広告や
マーケティング手法をいち早く取り入れてきたため、
インターネットの普及と共に
ネット市場の重要な部分を担うようになっています。

インターネットの普及により急速に発展していったポルノサイトですが、
これらをユーザーに提供している「人」や「企業」の実態は
あまり知られていないところです。

そんな日陰者の中でも、PornhubやRedTubeといった
人気ポルノサイトを運営しているのが「MindGeek」という企業。
同社はカナダのモントリオールに拠点を構えており、
同社の財務記録からヨーロッパとアメリカのポルノ業界の中でも
最大規模の企業であることが明らかになっています。

それにもかかわらず、MindGeekという企業の実態は
ほとんど明らかになっていません。
また、同社の株式を最も多く保有しているのは
「Bernard Bergemar」という名前のビジネスマンだそうですが、
同氏は「世界で最も成功したポルノ王」であるにもかかわらず、
名前をインターネット上で検索してもほとんど情報が出てきません。
Financial Timesの調査によると、
Bergemar氏の身元はMindGeekの幹部など、
ごく一部の人間にしか知られていない模様。

MindGeekの公式サイト上にも
ポルノサイトを運営していることがわかるような情報は
ほとんど掲載されておらず、代わりに
「トラフィックの多いウェブサイトの設計・開発・管理を行う」
などと書かれています。
しかし、『トラフィックの多いウェブサイト』というのは控えめな表現で、
Pornhubはアメリカでは
『coronavirus(コロナウイルス)』や『Trump(トランプ)』よりも
多く検索されています。

また、MindGeekが運営するポルノサイトのひとつであるPornhubは、
ビッグデータを次のレベルに引き上げることができるとも言われており、
実際、他のサイトが収集するのに数か月かかるであろうユーザーデータを
わずか1日で収集できるほど多くのユーザーを抱えています。
加えて、Pornhubには毎日
約15テラバイト相当のムービーがアップロードされており、
これはNetflix上で視聴可能なコンテンツの
約半分に相当する量であるとも指摘されています。

近年、FacebookやGoogleといったインターネット企業は
独占禁止法違反の疑いなどで、政府機関から厳しい監視を受けていますが、
MindGeekのような大規模ポルノサイトを運営する企業は、
政府からの圧力をほとんど受けていません。

ただし、PornhubはThe New York Timesに掲載された
「Pornhubには児童ポルノやリベンジポルノが多数投稿されており、
そこから収入を得ている」という指摘記事を受けて、
未承認ユーザーによるムービーのアップロードを禁止し、
アップロード済みのムービーをダウンロードする機能も停止すると発表。

Pornhubが未承認ユーザーのアップロードを禁止したことで、
同サイト上からは1000万本以上のムービーが削除されることとなり、
騒動の発端となったThe New York Timesの記事を書いた記者に
日本から殺害予告が届く事態にまで発展しています。
これだけ大きな騒動になったにもかかわらず、
Pornhubの運営元であるMindGeekや、
Bergemar氏の名前はほとんど隠れたままです。

リベンジポルノに対する反対活動を行っている
Not YourPornのKateIsaacs氏は、
「ポルノ業界について話したがる政治家はいません。
その理由は、ポルノ業界が
日常生活の一部であることを認めなければいけないからです。
そのため、MindGeekのような多国籍企業について
説明してくれる人はどこにもいません」
と語っています。

MindGeekが運営する無料のポルノサイトでは、
そのコンテンツのほとんどを一般ユーザーが直接アップロードしています。
この「一般ユーザー」というのは
実際にポルノを制作しているスタジオなども含まれており、
その理由は「ポルノサイト上にポルノの一部を投稿することで、
コンテンツを視聴したユーザーが『このポルノの続きが見たい』と考え、
お金を払ってくれることを期待しているため」です。

一方で、無料のポルノサイトは
「アップロードされているコンテンツの多くが違法アップロードである」
という点も問題視されています。
著作権コンサルタントとして働くジェイソン・タッカー氏は、
「ポルノは世界で最も望まれるコンテンツである一方で、
世界で最も海賊版の多いコンテンツでもあります」と説明しています。

さらに、MindGeekはポルノ業界で実際にポルノを作成している
ポルノスターやスタジオから批判を集めており、
スペインのポルノ監督であるエリカ・ラスト氏からは
「MindGeekは著作権侵害に基づくビジネスモデルで市場に参入し、
ポルノ業界を完全に破壊し、多くのスタジオや俳優を廃業させました」
と指摘されています。
なお、ラスト氏らはMindGeekに対して定期的に
違法アップロードされた自社コンテンツを削除するように
要請し続けているとのこと。

こういった指摘に対して、MindGeek側は
海賊版や児童ポルノといった違法コンテンツを削除するためのプロセスを
強化していると説明しています。
例えば、Pornhubではコンテンツモデレート業務に
「数十人」が携わっているとのこと。
しかし、一部の識者からは
モデレート業務に携わる従業員の数が少ないと指摘されており、
実際、Pornhubと同じように日々大量のコンテンツが投稿されている
YouTubeでは、約1万人がモデレーターとして働いています。

MindGeekは複数のポルノサイトを運営しており、
それぞれのサイトが同じサービスを提供しているため、
お互いがライバル関係にあると言えます。
自社で競合サイトを複数作っていく手法について、
MindGeekは「社内競争」と呼んでおり、
「これがMindGeekがビジネスで最も強力なサイトを運営できる理由です。
複数の無料サイトがすべて大量のトラフィックを抱えており、
他のサイトに依存することなくサービスが成り立っている点が強みです」
と語っています。

それでも、2018年までMindGeekはわずかな利益しか上げていませんでした。
しかし、2018年には税引前の利益が3830万ドル(約40億円)に達しており、
総売上は約5億ドル(約520億円)を記録。
なお、MindGeekの内情に詳しいという情報筋によれば、
Bergemar氏は同社の株式の大部分を保有しており、
MindGeekのビジネスにおいて
最大の利益を享受している人物であるとのこと。

MindGeekは対外向けには
「世界最大のポルノサイトはXvideosである」と主張していますが、
Financial Timesに情報を提供したMindGeekの元従業員の1人によると、
「Pornhubは地球上で最もトラフィックの多いポルノサイトであり、
それをクライアントに向けた売り込み要素として使っています。
そうすることで、MindGeekは業界内で
他のどのライバルよりも多くのお金を稼いできました」と語っています。
また、ネットワークインテリジェンス企業・Sandvineの調査によると、
Pornhubは世界最大のトラフィックを抱えるポルノサイトであり、
次点にXvideosが位置しているとのことです。

そんなMindGeekも
海賊版コンテンツを配信する他のポルノサイトとの戦いには苦戦しており、
ライバルポルノサイトの運営者を
「露骨な著作権侵害」と訴えることがしばしばあります。
しかし、MindGeekは
「削除申請しているポルノサイトの運営者を特定することはできない」
ともコメントしており、ポルノ業界全体が
MindGeekのように所有者などの情報を隠す傾向にあると説明しています。

https://gigazine.net/news/20201218-pornhub-redtube-mindgeek/

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