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世界中の人が菜食主義者になると [知識]

●世界中の人間が菜食主義者・ベジタリアンになると何が起きるのか?

健康・道徳・宗教的などの理由から
肉を食べない菜食主義の人が増えてきていますが、
「もし世界中の人々が菜食主義者・ベジタリアンになったら、
どんな変化が起こるのか?」ということを解説したムービーが
「What If The World Went Vegetarian?」です。
人が「肉を食べない」という選択をすることで
地球規模の大きな変化が起こることが
よくわかるムービーとなっています。



もし地球上の人間がみんなベジタリアンになったら、
地球にはどんな影響があるでしょうか?

ベジタリアンの割合は人口全体から見るととても少なく、
アメリカとカナダでは4~5%ほどにとどまります。
一方で、宗教を理由に肉食を避けることが多いインドは
人口の30%がベジタリアンです。

地球上に存在する多くの人は肉を食べるため、
現在、家畜として200億羽の鶏、15億頭の牛、
10億以上の羊、10億近くの豚が存在します。

もし地球上の人間がみんなベジタリアンになったら、
これらの家畜は消えます。
では、家畜が消えると何が起こるでしょうか?

家畜を育てるためには多くの土地が必要。
現在はアフリカ大陸の大きさに等しい、
3300万平方キロメートルという広大な土地が
家畜を育てるための牧草地として利用されており……

さらに、家畜の飼料となる穀物を育てるための土地も存在します。

家畜が世界から消えると、
今ある牧草地は作物を育てるのに向いていないので
放っておくと砂漠化する可能性があります。

ただし、人間が土を豊かにしてやることによって
森や草原に変えることも可能です。

家畜のために使われていた土地に森ができると、
地球環境が変化します。
牧畜は地球温暖化の理由の1つだと考えられていますが、
木は二酸化炭素を吸収するため、
木が増えると地球上の二酸化炭素が減少して
地球温暖化の進行を抑えることが可能。

また、牛など反芻動物の出すげっぷやおならに含まれるメタンガスは、
二酸化炭素の25倍も温室効果があると言われています。
この点、家畜が世界から消えるとメタンガスの発生量も減少。

森林の増加やメタンガスの減少を総合してみると、
家畜がいなくなれば15%も温室効果ガスを削減できるそうです。
これは地球上から飛行機・電車・車をなくすよりも大きな効果で、
科学者の中には温暖化に歯止めをかけるための戦略として
「肉食を減らす」という方法を提唱している人も多くいます。

また、地球全体における水の消費のうち
70%が農業に利用されています。
例えば牛肉1kgのために使われる水の量は1万5000リットル。

豚肉の場合は6000リットル。

鶏肉の場合は4000リットルです。

植物になると利用される水の量はぐんと減り、
シリアルに使われる穀物は1600リットル。

果物の場合は900リットル。

葉物野菜について言えば
1kgあたり300リットルの水の消費ですみます。

1キロカロリーあたりの水の比率に置き換えると、
お肉1kgに含まれる水の量は
果物5kg、野菜7kg、穀物20kgに相当するとのこと。

では、地球上の人々がベジタリアンになることで
生まれるデメリットは何でしょうか。

まず、家畜の副産物であった
レザーや動物の脂を使った化粧品などは、
これまでのように安価でなくなります。

さらに大豆などより多くの作物が必要になってくるので、
作物を育てる土地が必要です。
そのため、家畜がいなくなって生まれる土地は
自然状態に戻るのではなく、多くが農耕に使われるはず。

また、家畜によって生計を立てている農家は
現在10億人いると言われており、
多くは発展途上国の農家や小規模農家です。
これらの人々は家畜がいなくなることで農耕に転向したり、
牛乳や卵の出荷に専念したりなど、変化を余儀なくされます。

各国では徐々にベジタリアンが増加していますが、
一方で、実は世界では全く逆の動きも起こっています。
インドや中国など人口の多い国が裕福になることで、
肉の消費が増えてきているのです。
そのため、他の国で肉の消費が減っても、
地球全体で見ると肉の消費は増えているのが現状となっています。

http://gigazine.net/news/20160328-world-vegetarian/

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